忍者ブログ
Admin / Write / Res
100均でおなじみ浸透印・プッシュスタンプ1000の有限会社クリークのブログです。 商品に関すること関連すること、全く関係の無いぼやきなどなど・・・。
[59]  [58]  [57]  [56]  [54]  [53]  [52]  [50]  [49]  [48]  [47
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

先日の日曜日、時間が空いたので数年ぶりに映画館へ行った。
「小川の辺」篠原哲雄監督、東山紀之、菊地凛子主演作品。
藤沢周平作品である。

小川の辺
映画は藤沢周平の小品らしい素敵な作品だった。

これといった大きなドラマティックな展開もなく、細やかな家族の情と良き日本の情景が淡々と展開されつつクライマックスにたどり着く。
静けさだけではなく、東山紀之と菊地凛子の殺陣も良かった。

東山の父親役の藤竜也が密かに隠居を決意して、嫁に硯筆一式を譲り渡すシーンがあった。
当時はこういうときに譲り渡すハンコなどもあったのだろうかとふと思う。

そういえば殿様クラスが花押を押すシーンはなにかと見たことがある気がするが、一般庶民どころか普通の侍がはんこを押しているシーンも、映画ドラマで見たことがない。

普及していなかったのかと調べてみたところ、江戸時代後半から幕末頃にかけてはすでに一般庶民にもかなりハンコは普及していたらしい。感覚的には普及していたとしても武家クラスかと思っていたので意外な事実である。

そもそも紙に何かを書くということ自体が限定される時代なのだから、ハンコを押すシーンも限られてくる。
おそらくは公的な書類、証文に押印ということが圧倒的に多かったのだろう。


江戸時代というのは実は意外なほどの訴訟の多い社会だったようである。
幕末前期のある年の南北町奉行管轄の訴訟件数が5万件を超えていたという数字がある。
その大半は金の貸し借りだそうだ。
当時の江戸は世界的にも識字率が群を抜いていたらしいが、それでも下層庶民には字が書けない人もそこそこいたはず。
そういう人でもハンコを持っていれば署名も出来るという事実もあったのではないかと想像する。
訴訟があるということは契約もある。ハンコ文化もそういうところから普及したのだろう。

藤沢作品、少し前にDVDを借りて「必死剣・鳥刺し」を見たがあれは最後が悲惨。今回の「小川の辺」で温もりを取り戻し、ほっとする。
この季節になると、また「蝉しぐれ」を見てみたなる。


それと、東山君には仕事人への復帰を切望する。
中村主水亡き今、渡辺さん、あなたがお江戸の鏡花水月・・・・・。

PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Copyright ©  Creek Co.,Ltd. All Rights Reserved.
* material by Pearl Box   * Template by tsukika

忍者ブログ [PR]